ジストニアの症状別病態一覧と詳細

ジストニアの症状別病態

眼瞼痙攣

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)は、両側の眼輪筋が痙攣する疾患で特発性の局所性ジストニアです。
初期症状は下眼瞼部(下のまぶた)がピクピクしたり、刺激を感じたり、不快感があったりします。
また、目をつぶっていてもまぶしく感じたり、まばたきの回数が増えたりします。

症状が進行する上眼瞼部に進行、まぶたが頻繁に攣縮(痙攣性の収縮)、開瞼障害(機能的な失明状態)があります。

メイジュ症候群

メイジュ症候群は眼瞼痙攣に顔全体・口・下顎・咽頭・喉頭・頸部などの他部位のジストニアを合併する疾患です。
眼瞼痙攣のみの場合は疼痛を伴いませんが、メイジュ症候群は疼痛があり顔面が変形することもあります。

痙攣性発声障害

痙攣性発声障害は、喉頭や声帯の筋肉に異常をきたす特発性の局所性ジストニアです。
主な症状は二種類あります。

  • 声帯内転型・・・発声中断・力んだ声・しゃがれ声・声量が小さくなる・呼吸困難
  • 声帯外転型・・・声が低くなる・息が漏れるような声・かすれ声・声が出ない

痙性斜頸

痙性斜頸(けいせいしゃけい)は頭頸部の筋肉の緊張異常が原因で頭位に異常を生じる疾患で、頸部ジストニアとも呼ばる特発性の局所性ジストニアです。

主な症状は頭部の回旋・側屈・前屈・後屈・下顎前突、肩挙上があります。
症例の多くは上記の症状を複数合併します。
その他に側彎(そくわん)や躯幹(くかん)のねじれ、振戦や頸部痛を伴う例もあります。

書痙・職業性ジストニア・上肢ジストニア

書痙(しょけい)・職業性ジストニア・上肢ジストニアは、上肢の筋緊張異常が原因で巧緻運動障害(こうちうんどうしょうがい)をきたす特発性の局所性ジストニアです。

主な症状としては痺れ・震え・こわばり・脱力があります。

職業性ジストニア

職業性ジストニアは、ミュージシャンや職人の方などの繰り返し同一の作業をすることで上肢が筋痙攣を起こして、動かなくなったり、動いてはいけない指が動いてしまう病気です。
美容師やマンガ家さんは手に、教師であれば腕、営業職は方は口などがうまく効かなくなります。

職業別のジストニアには下記の様のものがあります。

  • 上肢のジストニア・・・音楽家(ピアニスト・バイオリニスト・ギタリスト・打楽器奏者など)、ゴルファー(イップス)、タイピスト、画家、金細工などの職人
  • 口のジストニア・・・音楽家(フルート、トランペット奏者など)

原因としては、過剰に骨格筋を使用することにより脳の感覚の代表野が拡がってしまい、感覚情報の処理に異常が起こるとだと言われています。